名ばかり管理職の残業代問題
2011年3月3日 | 中小企業と経営
管理職には残業代を支払わなくてよい?
日本マクドナルドでの訴訟以降、名ばかり管理職問題があちらこちらで取りざたされています。
名ばかり管理職問題は、実質的には一般従業員であるにもかかわらず、課長等の管理職としての肩書きを社員に与えることで管理職と位置づけ、残業代の支払を回避していないかというものですね。
この問題は上場会社等大規模な会社だけの問題ではありません。
中小企業でも労働基準監督署から調査申し込みを受けることが増えてきているようです。
退職者が役所に相談に行ったりするとこういうことが起こるようです。
調査を受けると実質的な管理職なのかどうか細かくヒアリングを受けることになります。実態が一般従業員と判断されれば、役職のいかんにかかわらず残業代の支払を指導されることになります。
役職云々以前に残業代を支給していない中小企業も多数存在するため経営上注意が必要なテーマです。
最近では、弁護士がハローワーク前で、不当解雇や不払い残業代の支払請求を宣伝していることがあるという話を聞いたことがあります。本当かどうかは知りませんが(汗)。
全員役員の会社
こうした問題を回避する方法として、社員全員を取締役にしている会社に出会ったことがあります。
この経営者はある意味、頭が言いともいえますね(汗)
名ばかり管理職か否かの事実認定には微妙な問題がありますが、取締役が実態では労働者に過ぎない!という議論は通常されませんから。
しかし、少し考えてみると微妙な問題があることがわかります。
取締役会が労働組合の賃上げ団体交渉の場に急変してしまう可能性があるとも言えるからです。
実際には株式の2/3以上を経営者が握っていれば、社長を解任したりすることは事実上できませんから(手続きはめんどくさいことをしなければなりません)、経営が即転覆することはないとは思います。
しかし、常識的に考えて行き過ぎた対策だと思います。
社員に異常な残業をさせないで済むような事業体制を考えるのが経営者の本来の仕事ですよね(笑)
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