コラム

本店所在地をどこにするか

2009年10月12日 | 起業支援

本店所在地はどこでもいいわけではない

定款には本店所在地を記載しなければなりません。
実際には、『当会社は本店を東京都渋谷区に置く。』といった程度の記載ですが、のちのちに影響する事項でもあります。次の点を考慮のうえで検討した方がよいでしょう。

市区町村ごとに融資制度が設けられている

起業初期では会社自体に信用がないので融資は受けにくいものです。
融資を受ける場合も金利は会社の信用程度に応じて変動します。

こうした事情への配慮もあって市区町村ごとに融資斡旋制度が設けられています。

この斡旋制度では、たとえば、『渋谷区で1年以上事業が行われていること』といった要件が定められていることが多いのです。

融資斡旋の内容は市区町村によってまちまちですが、

・利子補給
・信用保証協会保証料の補給

が組み合わされていることが多いのです。

事業が順調に伸び始めて、融資を受けたいというときには大変ありがたい制度です。

たとえば、新宿区により広いオフィスを確保して業容拡大を狙いたいので融資を受けたいけど、本店は中野区にあった。
このようなケースでは、多くの場合、市区町村による融資斡旋制度を活用できなくなるわけです。

将来、どのエリアで事業をしたいかをある程度見据えて本店を設置する市区町村を決定することも大切なのです。

登記簿謄本には代表者住所が記載される

登記簿謄本には『本店所在地』が明記されます。
定款の本店所在地は、『東京都渋谷区』というもので、具体的な住所は記載されません。
同時に、登記簿謄本には『代表取締役の住所』が記載されます。

意識しない方は構わないのですが、『本店所在地=代表取締役住所』の場合には、自宅での起業であることがひと目で確認できます。

新規に取引を行う会社は、相手の会社が信用できる会社か確認する意味で、登記簿謄本を入手することがあります。会社の所在地を実際に確認に行くこともありえます。
相手先は、こちらのオフィス規模や従業員数を確認することで、仕事を依頼した場合のキャパシティや財務状態を把握しようとしているということです。

このような簡単な与信調査を行われる可能性がある場合、自宅起業は信用面で不利に働くことがあります。ある程度規模の大きな会社を顧客とする場合、このようなことになる可能性がありますので注意したいところです。

登記簿謄本だけで自宅起業を把握されないような工夫が必要かどうかも考慮しておくべきかもしれません。

悩むよりも相談してみましょう

私たちは起業を志すみなさまのために無料で相談をお受けしています。
会社設立から設立後の諸問題までさまざまな経営者のご判断のサポートをさせていただいています。
一度試してみてはいかがですか?





このエントリーをはてなブックマークに追加 Yahoo!ブックマークに登録

免責

本記事の内容は投稿時点での税法、会計基準、会社法その他の法令に基づき記載しています。また、読者が理解しやすいように厳密ではない解説をしている部分があります。本記事に基づく情報により実務を行う場合には、専門家に相談の上行うか、十分に内容を検討の上実行してください。当事務所との協議により実施した場合を除き、本情報の利用により損害が発生することがあっても、当事務所は一切責任を負いかねます。




無料相談のお申し込み

起業・経営に関することなど、お気軽にご相談ください。

対談:独立開業ものがたり

上原将人(上原公認会計士事務所) × 阿部淳也(1PAC. INC.)

コラム

あなたの悩み解決を手助け。
上原公認会計士事務所所長の上原将人によるコラム。

お客様の声

お客様から頂いた声を事例としてご覧ください。