法人成りすると消費税が免税になることがある(基準期間の応用)
2009年10月28日 | 税金の基礎知識
法人成りとは、個人事業で行っていた事業を新たに法人を設立して、その法人で行うことをいいます。法人成りを行うと次のような消費税の課税関係が発生します。
法人成りの基準期間
法人成りは個人事業を法人に譲渡する行為と実質的に同じと理解できます。
個人と法人は完全に別人格ですから、法人の基準期間は、法人の事業年度を基準に決定することになります。この際、事業実態が同じであったとしても、個人事業当時の事業期間は法人の計算に影響を与えません。
すなわち、新設法人の基準期間は存在しないことになり、原則として、基準期間が存在しない課税期間の消費税の納税義務は免除されることになります。
ただし、基準期間がない場合の新設法人の特例が定められていますので、消費税については次のような課税関係になります。
個人事業が消費税の課税対象になってから法人成りすると
事業を開始していなくても2年前から個人は存在しているので、基準期間自体は存在していることになります。その基準期間の課税売上がゼロ円というに過ぎません。小規模事業者の納税義務の免除制度により、当初2歴年度は消費税が免除されることになります。
たとえば、個人事業第1期目の課税売上高が1,000万円を超えた場合、その個人事業の第3期目は課税事業者に該当することになり消費税の納税義務が免除されなくなります。そこで、第2期目の終わりごろ、もしくは、第3期目開始早々に法人成りを行うと実質3期目と4期目の消費税を免税にすることができるのです。
事業の内容により法人成りすることが有利にも不利にもなりえますので、慎重にご検討いただければと思います。
Tweet