消費税の計算方法
2009年11月18日 | 税金の基礎知識
経営者は消費税の実際の納税額の計算方法を概略的にでも理解しておく必要があります。
税額の計算方法
事業者が国に納める消費税額は次のように計算します。
消費税の納付税額=課税資産の譲渡等の額×5%-仕入税額控除
課税資産の譲渡等の額は売上のほか固定資産の譲渡収入や雑収入などで、通常は売上の額と理解していてよろしいでしょう。
仕入税額控除とは、商品仕入や経費支出、固定資産購入に伴い外部に支出する消費税額を意味しています。
このように収める税額は収入に関する消費税と支出に関する消費税を相殺することで計算します。
仕入税額控除の計算方法
仕入税額控除は、実際に外部に支払った消費税額を積上げ計算するのが原則です。これを原則課税といいます。会計ソフトを使用している場合、「仮払消費税」という勘定科目で表示された金額がその積上げ結果を示しています。なお、税込経理をしている場合には、仮払消費税という勘定科目は試算表に表示されません。個々の費用科目に含めて表示されることになるので、実際の積上げ額は単純には計算できません。
実は、上記のような原則的な計算方法のほかに、簡易課税という簡便的な仕入税額控除の計算方法が定められています。
簡易課税は原則課税のように個々の支出に対する消費税を積上げ計算するのではなく、課税資産の譲渡等の額を基礎として支出に対する消費税の額を概算計算する方法です。
簡易課税では、仕入税額控除を次のように計算します。
仕入税額控除=課税資産の譲渡等の額×みなし仕入率
みなし仕入率は業種別に定められた課税売上高に占める課税仕入の平均的な割合ということです。業種平均ですから、個々の事業者の実態に合致している保証はありません。消費税が益税になることもありますし、損税になることもあります。適用にあたっては慎重な検討を行うべきでしょう。
なお、簡易課税は中小零細企業の事務負担を軽減することを目的としていますので、基準期間における課税売上高が5,000万円以下であることが条件になっています。
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