粉飾は絶対してはいけないのか?
2010年8月18日 | 中小企業と経営 / 資金調達と決算書
粉飾は絶対してはいけないのか?
こう聞かれれば、
『ご自由に~』
と答えるしかありません。
『どうなっても知りませんよ~』
という言葉とともにお答えしています。
冗談です。
粉飾決算はなぜなくならないのか
僕自身、粉飾が世の中にたくさんあることは否定しません。
うちのスタッフがこっそり持っていた本が『粉飾バンザイ!―税理士は教えてくれない!「決算」&「会計」の裏ワザ!』。
僕は読んでいませんが、随分とバカにされてしまいました(笑)
僕は税理士でもあり会計士でもありますので。。。
確かに資金繰りは試験科目にはありません、、、、(轟沈)
冗談はさておき、
どうせ消せないんだから粉飾はするな!
こう顧問先にはお話ししています。
子供のお化粧ごっこ程度の粉飾なら見なかったことにしたいときも確かにあります。
でも、やっぱり奨められることではありません。
銀行にも問題がある
中小企業が粉飾を行う理由はほぼ95%以上銀行対策です。
赤字の会社にはご融資できません!
希望融資額を融資するには売上が少なすぎます!
前年よりも利益が減っているので追加融資は・・・
こういう会話が日常茶飯事に行われてきました。
『最近は債務超過でも融資可能!』なんて銀行もありますが、内情的には大差ないのではないかと思います(この銀行は今年ペイオフをやらかしました)。
なぜならば、銀行マンは融資先の経営環境や経営実態を見て融資してきたのではないような気がします。多くの場合、提出された決算書が黒字か、保証協会の保証が可能か、担保を取れるか、という観点が異常に強調されて融資可否を判断してきたように見えるのです。
融資先のことを下手な役員よりもよっぽど理解している優れた銀行マンも確かにいます。しかし、多くの銀行マンは書類審査を中心に形式的に融資可否を検討してきたものと思われます。
会社の実態を十分理解した上で、融資可否を判断するケースは希だと思っていた方がいいのです。
だから、もうちょっとで黒字なのに・・・・という位なら、お化粧してしまった方が得だという思考になってしまうのでしょう。
銀行以上に経営者に問題がある
赤字よりも黒字の方がいいに決まっています。
しかし、お化粧にも限度があります。
あまりにも多くのペインティングをするとかえって不細工になってしまうものです。
やっぱり僕はスッピンが好きです。
度を過ぎたお化粧をするとどうなるかは次回以降に書いてみたいと思います。
本稿は「うちの事務所での出来事」のバックナンバーを加筆修正したものです。
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