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2011年2月15日 | 中小企業と経営

社長の悩み

社 長)先生はエビタイ宮殿をご覧になりますか?

税理士)たまに観ますよ。ハイハイ。

社 長)うちもあの番組の社長に習って顧客第一主義の品揃えを徹底しているのです!

税理士)おお、そうなのですか!

さすがですね!

社 長)ところで先生!

借入をしようと思うのですが、うちはいくらぐらいまで借りられますかね?

税理士)借入ですか!?

回転差資金では不足なのですか?

社 長)商品種類を増加させたので在庫資金が膨らんできているのですよ(汗)

税理士)え?

この試算表では在庫金額7,000万円になっていますね。

例年と同じぐらいじゃありませんでしたっけ?

社 長)先生、それは前期末の在庫額ですよ!!

先月末の在庫額は上代で1.5億円になっているんです。

税理士)下代だといくらですか?

社 長)1.1億円ぐらいです。

税理士)4,000万円増えたということですか!?

社 長)そうなんですよ。。。

税理士)それで借入というわけですか。。。

回転差資金というのは、売上金の回収と仕入代金の支払いサイトの差から生まれる運転資金のこと。小売業の場合、売上金は販売段階で現金回収するのに対して、仕入代金は締め後1ヶ月から2ヶ月後に支払うのが通常です。そのため、小売業では手許現金が比較的多くなる傾向があるのです。

在庫投資が増加せず、売上が安定していれば、回転差資金としてほぼ一定の金額が発生することになります。

しかし、この会社では、在庫投資が増加したにもかかわらず、売上を増加させることができていなかったのです。

決算書的には、手許現金残高が減少して、減少額だけ商品勘定が増加することになります。

加えて、顧客対応のためパートを増員していました。求人費はかかるし、パート給与に研修時間分が含まれるなど、人時生産性が落ちてきていたのです。その分の経費増が営業利益を圧迫する要因にもなっていました。

これらの要因はすべて資金に直結してきます。

来店人数が増加したのはうれしいのですが、思うように売上が増加できていない。

ここは我慢のしどころ!!

継続しなければ何のためにここまで頑張ってきたのかわからないじゃないか!と思うものの、社長は将来の資金繰りに不安を感じ始めていたのです。

つづく





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上原将人(上原公認会計士事務所) × 阿部淳也(1PAC. INC.)

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