コラム

お客様のご要望にすべて応えるぞ!(9)

2011年2月22日 | 中小企業と経営

なんでなんですか!

行員)審査結果なのですが!

社長)おお、いつ着金ですか?

行員)あの、、、7,000万円でもよろしいでしょうか?

社長)え?
1億申し込んだでしょ!

行員)協会さんが7,000万円までしか保証できないというのです。。。

社長)他行に行ってもいいんですよ!
銀行はオタクだけじゃないんですからね!!

行員)そういわれましても。。。
協会さんが難しいと言うものですから。。。

社長)保証協会がダメってんじゃ、他行に行ってもダメってことでしょ!

行員)仰るとおりでございます。。。

社長)それって、プロパーも無理だと言うことですか!?

行員)年商10億円以下の会社にプロパーは実行できないことになっています!

社長)オタクとは長い付き合いじゃないですか!
今まで一度だって返済で迷惑をかけたことないでしょ!

行員)(迷惑があったらもっと融資は難しいですぅ。。。

社長)支店長に替わって下さい!

行員)支店長は出張に出ておりまして、、、(居留守)

社長)仕方がない7,000万円で手を打ちましょう

行員)ありがとうございます。では、印鑑証明と。。。
緊急融資枠でやっと7,000万円OKもらったのに、、、)

つづく

生前贈与に関する最高裁判決の意義

2011年2月21日 | 時事 / 税金の基礎知識

武富士元会長から長男への海外資産の生前贈与に関する最高裁判決

結構大きい最高裁判決が出たと思います。
この判決を受けて、日本の富裕層がどのように動くのか、今後の動向を注目しておく必要があるでしょう。

消費者金融大手「武富士」(会社更生手続き中)の故・武井保雄元会長夫妻から海外法人の株を生前贈与された長男の武井俊樹元専務(45)が、贈与税など約1330億円の課税処分取り消しを求めた訴訟で、最高裁第2小法廷(須藤正彦裁判長)は18日、課税を適法とした2審判決を破棄し、処分を取り消した。判決は「元専務は当時、海外を生活拠点としていたため課税できない」と判断した。個人に対する追徴課税取り消しでは過去最高とみられる。
(中略)
訴訟では元専務の生活拠点の認定が争点となった。贈与時(99年)の相続税法は、海外居住者が国外財産の贈与を受けた場合は非課税と規定。元専務は97~00年の3分の2を香港で過ごしたが、国側は、課税逃れの海外滞在で実質的な生活拠点は国内と主張した。
これに対し、小法廷は「滞在日数という客観的な要素で決めるべきだ」と判断。「税回避目的で海外滞在日数を増やしていたとしても、当時の法律では課税は違法」と述べた。
1審の東京地裁(07年)は「国内に生活拠点があったと認定するのは困難」と処分を取り消したが、2審の東京高裁(08年)は「税回避目的で海外に出国して滞在日数を調整しており、課税は適法」と判断していた。【伊藤一郎】『毎日jpH23.2.18より』

世間では過払い金返還請求の原資に還付金を充当させるべき!といった報道がされています。これは税理士が議論する問題ではないので触れません。

ポイントは3つ。

  1. 相続税・贈与税を回避するために海外に「住所」を移そうとした富裕層がいた(る)
  2. 「滞在日数」により「生活拠点」を認定した
  3. 最高裁は租税法律主義を厳密に適用した

過去の話ではない

平成23年度税制改正で相続税の増税が予定されています。いわゆる『相続税の大衆化』です。基礎控除が40%削減され妻一人・子一人でご主人が亡くなった場合、従来7000万円だった基礎控除が4200万円に減額される予定となっています。
あわせて、相続税の最高税率が50%から55%に引き上げられる予定です。

富裕層にとってこの5%の税率アップは大きなインパクトがあります。
たとえば、上場会社の創業者のように100億円規模の財産を持っている人であれば、5億円の増税!増加税額は全体からしてみれば微々たるもの?かもしれません。しかし、全額にすると55億円になってしまうわけです。

これら富裕層は何を考えるかといえば、武富士元会長のように子供に財産を無税で相続させる方法があるならば行いたいということになるわけです。
何も富裕層に限らず一般的な思考といえるでしょう。

今回の判決では、過去にそのような相続税法の抜け穴があった!という議論ではありません。現在は当時よりもやりにくくなった、ということに過ぎません。
巨額の財産を有する富裕層は今でも何とかできないものか!とプライベートバンク等を駆使して考えているはずなのです。

現在でも海外に住所と財産を移転すれば相続税を回避できる

上記のような抜け穴を塞ぐため、相続税法は平成12年改正で以下のように変更されました。

ご覧頂くとわかるとおり、被相続人(贈与者)と相続人(受贈者)ともに5年超日本国内に「住所」がなければ、日本で課税することができないことになっています。
確かに改正前よりも課税を回避しにくい制度となりました。

しかし、巨額の財産を有する富裕層が高額の相続税を回避するために国内の住所を持たないようにしないとはいえません。

しかも、今回の最高裁判決では、「住所(生活の拠点)」の認定を「滞在日数」により判定すべきであるとしたのです。従来より、中国駐在員が中国による全世界所得課税を回避するためにパスポート上の入出国記録を管理していますが、同様のことを日本の相続税課税を回避するために資産家が行ったら合法!と最高裁がお墨付きをつけたとも理解できるわけです。

諸外国では、相続税のない国が多数存在しています。さらに、現在相続税がある国でも、相続税を廃止しようとする動きがあるようです。タックスヘイブンに逃避した資産を呼び込もうといった思惑もあるようです。
日本から脱出した資産家がこれら相続税のない国に「住所」を設定したら、日本の相続税をまるまる節税できてしまう。そこまでする人がどれだけいるかが問題ですが、恐らく何人かはいますよね。

国内に資産があれば日本に課税されますので、不動産を売却して金融資産に切り替え国外で運用する、そんな時代になってしまうのでしょうか!?

考えすぎだといいのですが。。。

お客様のご要望にすべて応えるぞ!(8)

2011年2月18日 | 中小企業と経営

融資申込み

2期分の決算書と前月までの試算表を持参して銀行に正式に申し込む日が来ました。

今回は社長と経理部長が銀行に訪問です。

支店長)いつも大変お世話になっておりますのに、大変ご無沙汰して申し訳ございません。
社 長)こちらこそご無沙汰して申し訳ございません。

支店長)このたびは運転資金のご融資とのことで、いつもありがとうございます。
必要書類はご用意いただけましたでしょうか?

社 長)こちらに2期分の決算書前月までの試算表をお持ちしました。

支店長)社長自らお持ちいただいて恐縮です。
では、拝見します。

支店長)半期で営業利益が3,000万円ですか。
順調のようですね。

社 長)ハイハイ!
うちは顧客第一主義の品揃え戦略を展開していますので、、、

行 員)先日、お店に伺った際もお客様が大変大勢おられました。

支店長)そうですか、それは結構なことです。
今回のご融資の利用目的はどのようなものでしょうか?

社 長)より積極的な品揃えと社員教育をしたいと考えておりましてね。
そのための運転資金です。

支店長)そうですか、そうですか。
こんな不景気の中で積極的な経営戦略を展開されて頼もしいですね。
近いうちに上場されたりするのでしょうか(笑)

社 長)今のところ考えてはいませんが、店を増やせば売上もどんどん増えますからね。。。
いずれは考えてもいいかな。。。

支店長)ところで、在庫がだいぶ増加しているように見えますが、、、

社 長)まさか粉飾しているとでも仰るのですか!?

支店長)とんでもございません!
ただ、倍ぐらいの水準になっていましたもので。。。

社 長)うちは粉飾みたいなことはしませんよ。
それは、品揃えを充実させたことによるものです。
なんだったら、うちの在庫管理システムのデータとたな卸資料をお見せしてもいい!

支店長)疑っているなんてとんでもございません。
最近色々事故がございましてね。
社長に限ってそのようなことがあるとは夢にも考えておりません。

社 長)長いお付き合いですからね。
私も御行を信頼しております。
1億の融資を是非よろしくお願いします(汗)

支店長)確約はできませんが、
審査のうえできるだけご期待に添えるよう努力させていただきます。

社 長)よろしくお願いします。

行 員)では、こちらの融資申込書にご記入ください。
代表印はお持ちですか?

社 長)ハイハイ!

つづく




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上原将人(上原公認会計士事務所) × 阿部淳也(1PAC. INC.)

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